第33回 | 2020.01.14

SDGsについて考える
~卸売市場におけるSDGsの取組みの一考~

会社の傍のセブンイレブンに、こんなチラシが貼ってありました。

このポスターを見て、皆さんは何か感じることがあるでしょうか。
このポスターはおととし鎌倉で打ち上げられたクジラからプラスチックごみが見つかったニュースを例に、コンビニのビニール袋の削減を訴えるポスターです。
このニュースに限らず、世界中でクジラが打ちあがった際に、胃の中から大量のプラスチックごみが見つかったというニュースは珍しくなくなってきました。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/120900714/

さて、このポスターは、神奈川県の環境農政局がSDGsによる取り組みの一環として作ったポスターですが、最近、このSDGsという言葉や虹色のバッジを良く見聞きすることが増えてきていると感じています。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2015年9月の国連サミットで採択され、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する具体的行動指針を示しています。17の目標と169個のターゲット、232の指標が定められていますが、この言葉を知っていても、「…で、具体的に何をすればいいの?」と思われている方が多数いらっしゃるのではないでしょうか。17の目標は以下に示すとおりで、

これだけでは具体性が伝わらず、169個のターゲット、あるいはその下層にある232個の指標をみても、では誰がどのように何を取り組むのか理解しにくくなっているように感じます。私の解釈としては、SDGsとは企業・行政・市民等、それぞれがそれぞれの立場で取り組むべき行動指針であり、具体的にやらなければいけないことが決まっている、あるいは新しい取り組みが必ずしも必要なことではありません。今の活動の中でも意識して取り組めることもあり、そのような取り組みを実践していくことで社会的責任を果たすものであると考えています。232個の指標も、数値目標が漠然としたものも多く、誰がどのように達成するかまで明確に示していないものも多数あります。

 

私は今年度、卸売市場の将来ビジョンや再整備に関する業務をいくつか担当しておりますので、卸売市場で考えられるSDGsについて、17の目標と169個のターゲットからどのような取組みが考えられるか一例を挙げてみたいと思います。

このように、それぞれの立場で出来ること・変えられることを考えていくことがSDGsに向き合い、実践していくことになると考えています。世界の風潮をみると、投資家はSDGsへの取り組みに意欲的な企業への投資(ESG投資)がスタンダードになりつつあり、SDGsへの取り組みが個人の購買選択行動や企業間取引の要件、また若手の社員採用にも関わってくる時代、SDGsの考えを持っていることが当たり前になる時代があっという間に来ると感じています。

最後になりますが、冒頭のポスターを見て、自分ができること、コンビニの買い物に行くたびにマイバックを持っていってるかといえば正直できていないのが本音ですが、1品2品でなくとも、手に持てる品数の商品はビニール袋をもらうのをやめました。皆さんもできることから始めてみてはいかがですか?

 

SDGsに関する参考ページ
■SDGs(持続可能な開発目標)17の目標&169ターゲット個別解説/イマココラボhttps://imacocollabo.or.jp/about-sdgs/17goals/
SDGsの17の目標と169個のターゲットについて網羅されています。

■SDGグローバル指標/外務省https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/index.html
169個のターゲットの下層にある232個の指標について、数字で整理されている内容については具体的な指標を整理してある数少ないサイトです。

■SDGs×食品産業 SDGsの目標とターゲット/農林水産省https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/sdgs_target.html
農水産業や食品産業で何ができるか、という具体的な取り組み事例等を整理しています。


研究員 片瀬冬樹