第31回 | 2011.01.01

新たなステージへ“うさぎ跳び” ~設立20周年に向けて~

新年明けましておめでとうございます。日本の農業・農村、そして全国で活性化に取り組む皆様のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。

さて本日は、年頭にあたり、株式会社 流通研究所の代表取締役として、本年の所信を表明させて頂きます。

流通研究所は、来年(平成24年)2月に設立20周年を迎えます。ここまで来れたのもひとえに株主の皆様、地域の皆様、同志の皆様などの多大なるご支援によるものと、心より感謝しております。

流研の究極の目標は、農業・農村を機軸として、生産者も、流通業者も、消費者も、真に豊かさを感じる社会を実現することです。流研は、来年迎える20周年を契機に新たなステージへの躍進と、ビジョンの実現に向け、具体的なアクションを起こします。

今年の目標は、「農業・農村のNo.1コンサルタント集団を目指す!」です。

これまで流研は、北は北海道から南は沖縄まで、全国200箇所を超え
る地域を支援し、県・市町村はもとより、農業者や農業団体、商工業者・団体、消費者団体、NPO法人、教育機関など、農業・農村や地域の活性化に取り組む様々な方々と出会いました。

流研は、これまで培ったノウハウ、全国に広がる多様なネットワークを活かし、同じ志を持つ人々を積極的に支援します。地域が持つ多様な資源を活用し、ポテンシャルを引き出し、あるいは有機的に連携させることで、愛され頼られる存在になることを目指します。

そして、目標達成のためのキーワードとして、「人財」、「流通」、「デザイン」の3つを掲げます。

「人財」については、人材の発掘と育成を機軸とした事業展開を模索しつつ、人財のネットワーク化に向けた取組を進めます。

「流通」については、市場取引、直接取引、直売の3つの側面から、生産者と消費者、あるいは生産者同士など、新たなマッチング機会の創出に向けた事業展開を模索します。

「デザイン」については、地域の農業者だけでなく、その応援団となる商店街・店舗の組織化や、売れる店舗づくりなど、ソフト・ハードの両面から支援していきます。

次に目標達に向けた具体策です。

一つ目は、神奈川県の“ヘソ”厚木市における新社屋建設です。

新社屋は既に建設を開始しており、今年5月には長年苦楽を共にした伊勢原市から厚木市へと事務所移転を予定しています。この新社屋は、私たちの同士である結城光正建築設計事務所結城先生に設計をして頂きました。

2階建ての小さな規模ですが、1階は多目的に活用できる交流スペー
ス、2階は事務所、屋上・テラスは農園として活用が可能な3層構造になっています。また、ガラス張りの階段スペースは、流通研究所の「ひと・もの・かね、そして川上から川下への流れ」をイメージした演出になっていることに加え、機能面・デザイン面でもオフィスとして優れた設計内容となっています。
この新社屋を活かし、先ずは各スタッフが志を新たに更なる研鑽を積
んでまいります。また、地域活性化にチャレンジする同士たちの交流拠点として、人と人をつなぐ機能を発揮していきたいと考えています。

この新社屋を、流研の今後10年間の礎として、スタッフの志の象徴し、全国の皆様の拠り所としていきます。今年5月には新社屋に皆様をお招きするとともに、1階の多目的交流スペースや屋上・テラスの具体的な活用方法についても明らかにしていきたいと考えています。

二つ目の具体策は、自主事業の本格的始動に向けた取組の実施です。

新社屋を活用した自主企画のフォーラムや、マルシェや花カフェの開催、県内の人財等を集めた研究会の立ち上げなどを検討します。フォーラムや研究会には、弊社が持つ全国的に第一線で活躍する農業者や実需者、行政マン、大学教授、コンサルタントなどにも参加していただき、有機的な情報・意見交換をすることで、時代性に照らした新たな仕掛けなどの実践を目指します。

これまで流研は、地域からの委託事業で調査・研究・支援業務を実施
するケースがほとんどでした。今後もこのスタイルを大幅に変えるつもりはなく、変わらず必要とされる地域にはどこでもおうかがいします。しかし、企業としての実力がつき、スタッフ個々の能力が高まった中で、来年迎える20周年を契機に、今後は社会に向けて主体的に働きかけていこうと決意しました。

私たちは大いなる理想と情熱に燃えた集団です。その先駆けとして今年は、まずは新社屋への移転を契機に試験的な取組を開始します。20周年を迎える来年以降、農業・農村の活性化に向けた確かな道筋を確立し、段階的に新たなステージへ“うさぎ跳び”していく。

それが流研のあくなき挑戦です。

長くなりましたが、以上を流通研究所の所信表明とさせていただきます。改めまして、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成23年元旦

株式会社 流通研究所代表取締役 釼持雅幸