第79回 | 2012.01.10

「昇龍元年」流通研究所が取り組む3つの改革 ~新年のあいさつにかえて~

新年、明けましておめでとうございます。

昨年は、東日本大震災と放射能汚染、さらにはTPP協議への参加表明と、日本の農業・農村を根底から揺るがす大きな出来事がありました。今年は、皆様にとって、明るく健やかな年になるよう、心から祈る次第です。

さて、流通研究所は、今年2月で設立20周年を迎えます。厳しい時代環境の中、弊社のような中小企業がここまでやってこれたのも、ひとえに皆様のご支援のおかげと、感謝しております。

昨年は、このコラムで、「流通研究所は、農業・農村のNO.1のコンサルティング会社を目指す」と宣言しました。そこで昨年は、先ずは地域に根の生えた会社を目指し、神奈川県の真ん中に新社屋を建設すると共に、かながわアグリビジネスステーション【通称:KABS(カブス)】を立ち上げ、県下の若手農家と一緒に自主研究を続けて来ました。また、社内体制の再整備や新たな事業領域へもチャレンジしました。昨年度を総括すると、年初の目標は実行し、確実に「新たなステージへうさぎ跳び」したと考えています。しかし課題は山積で、「農業・農村のNO.1」への道程は、入口に立ったばかりというのが現状です。

そこで20周年を迎える今年を、「昇龍元年」と命名し、「NO.1」を目指して大きく躍進して行きたいと考えます。そのために、今年取り組む重点テーマとして、①「自己改革」、②「業態改革」、③「経営改革」の3本柱を掲げます。普段私たちはコンサルタントとして、地域に入っては「改革」の必要性を強調します。時代はものすごいスピードで巡って行きます。時代に流されたり、あるいは安穏と立ち止ったりしていてはだめです。常に改革意識を持って取り組まなければ、時代に取り残され、社会的な存在意義を無くしてしまうからです。分かりきっていることを自ら実践することが、今年の流通研究所の第1のテーマと言えます。改革を断行するための基盤は、昨年までに作り上げました。あとは実行あるのみです。

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①の自己改革では、先ずは私自身の実践が問われます。自称「平成の二宮金次郎」とカリスマ経営者を目指して、プラスアルファの自己研鑽に励みます。もう一度、農業・農村の両方の軸で、その原点と現在の潮流を研究し直して行こうと思います。また、会社経営とは何か、経営トップとしてどのような行動をとるべきかについて、多忙という名の滝に打たれながら考え、道を究めていきたいと思います。そしてスタッフ全員が、明確な研究テーマを持ち、地域に愛され信頼されるコンサルタントになれるよう、日々精進してまいります。自己改革は、意識の改革に他なりません。以前と同じ様なところを見ていたのでは何も変わらないと思います。目の前の出来事を注視しながら、常に顔を上げ、前を見据え、高い志を持って自己改革に取り組みます。

②の業態改革では、昨年立ち上げたKABSの研究成果を踏まえ、新たなアグリビジネスの創造に向けて実証実験を行ってまいります。具体的な内容については、4月に発表したいと思いますが、KABSに参加している若手農家とともに、全国に通用する6次産業化型のビジネスモデルの構築を目指すことを趣旨とします。また、これまでは、国・県・市町村からの受注型の仕事が中心でしたが、担い手育成や流通販売、さらには交流などの幅広い分野で、民間企業を巻き込んで、社会全体に働きかけるような自主事業にも着手してまいります。星の数ほどコンサルティング会社が存在する中で、「流研だけは別格!」、「パートナーとして必要不可欠!」と言われるような会社を目指します。

③の経営改革では、より強固な経営基盤を確立し、安定した財務体質の会社への転換を目指します。これまで一貫して黒字経営を実現し、売上も概ね右肩上がりで推移してきましたが、まだまだ課題が残ります。中小企業であるこは紛れもない事実ですが、昨年度新社屋が完成したことで、「吹けば飛ぶような会社」とは言わせないだけの基礎が出来たと実感しています。今年は、外部企業や人材とのパートナーシップの強化なども視野に入れながら、ひと、もの、かねの経営基盤の再構築を検討します。

今年も農業・農村を取り巻く環境は、ドラスチックに変化すると思います。3日・4日の農業新聞では、地域農業の新たな担い手として、JA出資型の大規模農業法人が急増しており、この動きに大きな期待を寄せるといった内容の特集が組まれていました。また、5日の日経新聞では、東日本大震災で被害を受けた宮城県沿岸部に、多くの大手企業が参画し、最先端技術を駆使した200ha以上の大規模農場をつくるプロジェクトを始動させるといった記事が紙面のトップを飾っていました。今後、農業も農村も、大震災とTPPを契機に、基本的なフレームが大きく変貌する予感がします。農家も地域も、これまでの考え方を変え、自ら「改革」に着手すべき時代が来ているのだと思います。

流通研究所は、今年を「昇龍元年」と位置付け、「改革」の御旗を掲げ、地域の皆様と共に新しい時代を切り拓いていきたいと思います。本年も、どうぞよろしくお願いします。