第1回 | 2017.04.17

「新・二の釼が斬る!」がスタート
~ コラム再開にあたって ~

私が日々の仕事の中で感じたことを綴ったコラム・「二の釼が斬る!」は、昨年10月に300号をもって終了した。平成29年春たけなわの現在、コラム終了から早くも半年余りが過ぎようとしている。この半年間、コラム終了の理由にあげたとおり、心から愛し信頼する社員達と共に、寸暇を惜しんで仕事に全力を尽くす日々を過ごしてきた。その結果、流通研究所の平成28年度の決算は、過去最高の売上と利益を計上できる見込みである。

その一方で、コラム終了を惜しむ声や再開を望む意見を多数寄せて頂いた。また、初対面の方々に、長年コラムの愛読者だったと声をかけられるなど、私の想像をはるかに超えて、このコラムの読者が全国に広がっていたことに驚いた。そして、私の拙い情報発信が、農水産業に携わる多くの行政マンの政策立案や、生産者・生産団体、流通事業者の方々の応援歌になっていた事実を知らされた。

さらに、この半年間、先進的な取組を実践する産地や、歯をくいしばって挑戦し続ける野武士達に出会い、全国にはこんなに頑張っている人々がいるのだと、心が震えるような感動を覚える局面が多々あった。反面、理不尽な政策や不正義な言動を現場で見て、憤慨することも多かった。そんな思いを、再びコラムとして書いておいきたいという衝動に駆られた。

そこで、新年度を迎えるにあたり、「新・二の釼が斬る!」と改名して、私のコラムを再開することを決心した。コラムを書くことは、皆さんが想像する以上に多大な時間と労力・気力を要する。特に、仕事が集中する季節に書き続けることは、体力的にも精神的にも非常にきつい。しかし、「一度決めたことは、やり遂げて当然である」というのが私の信条である。年齢的にもさらに厳しい状況になると思うが、これより最低一年間、過去300回のコラムと同様に、可能な限り毎週更新していく決意である。

「新・二の釼が斬る!」は、これまでの「二の釼が斬る!」とは2つの点で異なる内容にしていく。一つ目の相違点は、日々思ったことをランダムに綴るのではなく、重点テーマをいくつか定め、テーマごとにシリーズもので毎週更新する構成とする。学術論文や出版本のようなイメージになると思うが、私は学者でもジャーナリストでもないので、理論的な文章展開は無視させて頂き、これまでの業務経験・人生経験を踏まえ、実践的で、かつ私の思い偏重型の内容とさせて頂く。

現在、テーマとしては、以下のようなものを想定している。

例えば、「農産物のブランド戦略」というテーマを掲げた場合、第1回は「総論」、第2回は「米のブランド戦略」、第3回は「野菜のブランド戦略」、第4回は「果実のブランド戦略」など視点別・品目別などでその都度コラムをまとめ、最終回は「総括」で締めくくりたい。これからじっくり内容や構成を組み立てるが、一つのテーマに対し、5回から10回程度のシリーズになると思う。

二つ目の相違点は、双方向型のコラムである。これまでは、私の思うことを一方的に書いてアップしてきた。その一方で、コラムの内容に対する質問・疑問や、読者の地域の実状を踏まえた相談ごとが数多く寄せられた。中には、流通研究所に訪問頂き、相談に来られた方もいた。きっと読者の中には、私のコラムの内容に対し、反論・異論を持つ方もおられたと思うし、テーマによっては内容が浅すぎて物足りなさを感じた方もおられたのだと思う。

そこで、私のコラムに対する質問・疑問や反論・異論がある方は、その都度メールで意見などを送って頂き、それに対し、このコラムの中で、なるべく速やかに誠実に答えていくこととしたい。中には、私にはわからないことや、調査・研究を進めないと回答できないこともあるだろうが、その際は正直に申し上げるので、逆に読者の皆さんにもフォローをお願いしたい。さらに、このようなテーマでコラムを書いて欲しいという要望があれば、可能な範囲で対応していきたい。もちろん、個人情報は守るし、オープンにすべきではないと判断した内容については記載しない。

メールの送付先は、流通研究所の代表アドレスである info@ryutsu-kenkyusho.co.jp にお願いしたい。

さて、春の訪れと共に、わくわくドキドキの新年度が始まる。流通研究所にも新たなスタッフが加わり、フレッシュで、芳しい空気に満ちている。心機一転、決意を新たにスタートする「新・二の釼が斬る!」にご期待頂きたい。